断熱材の種類と比較

目次

断熱材とは

断熱材の役割

家の中の熱を逃がしにくくし、外の熱を入りにくくするため」です。

つまり、冬は暖かさを外に逃がさず、夏は外の暑さを室内に入りにくくします。

熱は温度が高いところかや低いところに勝手に移動する性質があるので、断熱材はその熱の移動を遅らせる役割があります。

住宅で熱が出入りする箇所は主に、

・窓
・屋根
・外壁
・床

です。

断熱材は、一般的に屋根、壁、床に施工されます。

断熱材の重要性

断熱材が重要な理由は主に

・省エネ
・快適性
・健康

です。

断熱性が高いと、

・余計な空調動力を使わなくても室内を快適に保てる

・ヒートショックのリスクが小さくなる

・結露しないのでカビや白アリのリスクが小さくなる

など、建物にも居住者にとっても大切な性能です。

断熱材の性能を示す指標

熱伝導率:W/m・K

熱の伝わりやすさを示す指標です。

熱伝導率が低いほど、断熱性能が高いことを示します。

熱抵抗値:K/W

熱の伝わりにくさを示す指標です。

熱抵抗値が大きいほど、断熱性能が高いことを示します。

断熱材の注意点

せっかく良い断熱材を使用していても、隙間だらけでは意味がありません。

断熱材自体の性能だけでなく、建物の断熱性能には施工精度が非常に重要です。

※補足:ナフサ不足の影響

断熱材の多くは石油製品のため、納期延期やコストアップになっている商品も見受けられます。

これから家を建てる予定がある方は予定通りに工程が進まない可能性があるため注意しましょう。

断熱材の種類

断熱材は大きく繊維系」「発泡プラスチック系」「天然素材系の3つに分類されます。

一概にどの断熱材が良いとは言いにくいです。

どの断熱材にもメリット・デメリットがあるため、自分が優先する性能から選択しましょう。

本記事では、主に使用されている9種類の断熱材を紹介させていただきます。

繊維系断熱材

グラスウール

主原料:ガラス繊維

・日本の住宅で最も使用されている断熱材
コストが最も安い
防音性が高い
・ガラス素材のため劣化しにくい
シロアリに食い荒らされる可能性が低い

吸水性がある、湿気に弱い
 壁の中で結露が起きるとガラス繊維が水を吸収し、重みによって断熱材が下に落ちる可能性がある。
 →無断熱の壁がなってしまう。
施工難易度が高い
 隙間なく詰め込む必要があるため、施工精度によって品質が左右される。

ロックウール

主原料:天然鉱石

耐火性が高い
 不燃材料としても認定を受けている。
防音性が高い
 グラスウールより繊維の密度が高い。
 トイレやシアタールームなど防音効果を高めたい場所に部分的に使うこともある。
防水性が高い
コストが安い
・鉱物が原料のため劣化しにくい
シロアリに食い荒らされる可能性が低い

施工難易度が高い
 自重が重いためしっかり施工しないと経年で垂れ下がってしまう。

セルロースファイバー

主原料:新聞紙などの古紙をリサイクル

・隙間を少なくできるため、防音性が高い
調湿効果が高い
・ホウ酸に浸けているため防虫効果が高い

価格が高い
・施工業者によって品質差が大きい
・施工に時間がかかる
自重による沈み込みの可能性がある

ウッドファイバー 

主原料:木くず

遮熱性が高い
調湿効果が高い
環境負荷が小さい

・輸入が一般的のため初期費用が高い
・重量があるため自重による沈みが起きやすい

発泡プラスチック系断熱材

硬質ウレタンフォーム

・現場で吹き付け発泡するため隙間ができにくく気密性を確保しやすい
価格はやや安い(泡倍率によって価格が異なる)

ムラができやすいため施工業者によって品質差が大きい
・清掃しないと現場が汚くなる

フェノールフォーム

主原料:フェノール樹脂

・トップクラスの断熱性
・高い耐火性
 燃え広がらず、有毒ガスをほとんど発生しないため安全性が高い
・薄くても高断熱のため床下など厚さが取れない場所に良い
経年劣化が少ない

価格が非常に高い
衝撃に弱い
紫外線に弱い

ポリスチレンフォーム

発泡スチロールを硬くボード状に成形

耐水性が高い
・軽くて板状になっているため施工性が高い
価格が安い
断熱性能が高い 

・石油製品のため耐火性が低い
・柔らかいためシロアリに食い荒らされる可能性がある
 防蟻処理された製品を選ぶとよい
温度変化によって膨張、伸縮する
・中東情勢の影響でコストが上がっている

天然素材系断熱材

羊毛(ウール)

・トップクラスの調湿性
 壁の中の結露を防ぐことができる
・濡れても断熱性能が低下しない
耐久性が高い
安全性が高い
 自然由来の素材のためシックハウスやアレルギーの心配が少ない

価格が高い
・日本では普及率が低いため対応できる会社が少ない
・製品ごとに品質の差がある

炭化コルク

コルクの端材を蒸し焼きにして固めたもの

安全性が高い
 化学物質を使用しないためシックハウスやアレルギーの心配が少ない
防虫、防カビ効果
調湿、吸音、遮熱効果が高い
耐久性が高い
 経年劣化や性能低下が小さい

価格が非常に高い
 大量生産が難しい
衝撃に弱い
 割れやすい
・対応できる会社が少ない
 日本では施行実績が少ない

まとめ

コスト重視 → グラスウール

コストを抑えつつ耐火性と防音性も大切 → ロックウール

隙間をなくして防音性と調湿性を高めたい → セルロースファイバー

断熱性と環境負荷を大切にしたい → ウッドファイバー

施工の当たり外れが怖い方や高気密を重視 → 硬質ウレタンフォーム

薄くても断熱性能を高めたい → フェノールフォーム

床下や基礎など耐水性が重要な場所 → ポリスチレンフォーム

調湿性を重視 → 羊毛(ウール)

予算が高くても安心感と防虫・耐久性を重視 → 炭化コルク

一概にどの断熱材がよいとは言えませんので、施工場所や予算に合わせて最適なものを選定しましょう

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

仕事:建築関係
転職回数:2回(ゼネコン、ディベロッパー等)
資格:一級建築士、建築設備士
住宅について、自分が学んだことや経験したことを発信しています。
家づくりや住宅購入を考えている方へ参考になると嬉しいです。
投稿内容に誤り等ございましたらお問い合わせお願いします。

コメント

コメントする

CAPTCHA



目次