【断熱】断熱等級とは?いくつにすべき?

「断熱等級」や「UA値」といったキーワードを耳にすることも多くなりました。

実際に、住宅を建てる上で断熱性能はとても重要な性能です。

この記事では、

・断熱等級とは何か?
・断熱等級はいくつにすべきなのか?

についてご説明させていただきます。

結論:断熱等級は5以上、余裕があれば6以上にすることをおすすめします

これから家づくりやリフォームを計画している方の参考になれば幸いです。

目次

断熱性能とは

住宅における断熱とは、住宅の内部と外部における熱の移動を断つことです。

熱は、高いところから低いところへ移動する性質を持っています。

そのため、断熱性能が十分でない場合、冬場にせっかく暖房で室内の空気を暖めても熱が逃げてしまい、窓際や床が寒いという状態になってしまいます。

反対に、夏場は外部の熱が室内に伝わりやすくなるため、せっかく冷房で室内の空気を冷やそうとしてもなかなか冷えないという状態になります。

断熱性能が重要な理由

では、なぜ断熱性能が重要なのでしょうか?

断熱性能が重要な理由を3点ご説明させていただきます。

快適性

断熱性能が低いと、夏は暑く、冬は寒い家になります。

例えば、屋根の断熱性能が低いと日射熱を多く取り込んでしまい、夏場の最上階は暑くなります。

床の断熱性能が低いと、地面からの冷気が床を通じて1階住戸に伝わり、冬場に底冷えする家になります。

特に室温と外気温の差が大きい夏と冬は、断熱性能が低いことで、外部の影響を受けやすくなり快適性が低下する原因となります。

光熱費

断熱性能が低いと、熱が入りやすく逃げやすくなるため、逃げた熱や入ってきた熱を冷暖房で補うことになります。

例えば、冬場に室内を暖めても暖めても外部に熱が逃げてしまうため、常に暖房をフル稼働させなければいけません。

そのため、電気やガスを多く使用してしまい、結果的に光熱費が高くなります。

ランニングコストを抑えるためにも、断熱性能を高めることは重要になります。

結露

断熱性能が低いと結露しやすくなります。

結露には内部結露と表面結露の2種類がありますが、いずれにしても結露することで、木造の家の場合は構造体である木材が腐る原因となります。

木の腐敗臭によってシロアリが寄せ付けられ、木を食べてしまうと、建物の構造強度が低下してしまうため、深刻な問題となります。

また、結露によりカビが生えると、健康被害を生じる可能性があります。

断熱性能が低いことは、快適性だけではなく、構造や健康にも影響する可能性があるのです。

断熱等級

断熱性能の高さを示すために、品確法(住宅品質確保促進法)の住宅性能表示制度において、「断熱等級」という評価基準が定められています。

評価方法

断熱等級は、2つの数値によって評価されます。

UA値で表されることが多いが、ηAC値という指標もあります。

この2つの数値の小さい値で評価されます。

住宅性能評価自体は任意の制度ですが、申請する場合は、以下のいずれも必須項目として評価しなければなりません。

・5-1 断熱等性能等級
・5-2 一次エネルギー消費量等級

外皮平均熱貫流率(UA)

UA値は、室内外の熱の移動のしやすさを表す数値です。

UA値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。
(UA値が小さい → 熱の損失量が少ない → 熱が移動しにくい → 断熱性能が高い)

冷暖期の平均日射熱取得率(ηAC)

ηAC値は、太陽日射の室内への入りやすさを表す数値です。

ηAC値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。
(ηAC値が小さい → 日射が入りにくい → 遮蔽性能が高い)

地域区分

断熱等級の基準は、地域によって異なります。

地域によって気候条件が異なるため、全国を大きく6つの地域に分ける「地域区分というものが定められています。

寒い地域ほど断熱性能の基準が厳しくなります。

地域区分都道府県
1・2北海道
3青森、岩手、秋田
4宮城、山形、福島、栃木、新潟、長野
5・6茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、富山、石川、福井、山梨、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分
7宮崎、鹿児島
8沖縄

一部の都道府県は、市町村によって異なります。自分が住む市町村がどの地域区分に該当するか、詳細は国土交通省のホームページをご確認ください

断熱等級

断熱等級は1〜7に区分されており、数字が大きいほど断熱性能が高いことを示します。

2025年以降は「断熱等級4」が最低基準となっており、2030年には「断熱等級5」が最低基準になる予定です。

2021年の国土交通省の資料によると、現在の日本の既存住宅の約90%は、「断熱等級3」以下と言われています。

中古住宅を購入する際は、昔の基準で計画されていることが多いため、見た目だけではなく断熱性能といった住宅の性能にも注意して検討すると良いでしょう。

断熱等級はいくつを目指すべきか

断熱等級はいくつを目指すべき?

これから家を建てる方は、

断熱等級は5以上、余裕があれば6以上にすることをおすすめします。

これはあくまで個人的な見解ですが、2030年以降には最低基準が「断熱等級5」になります。

今から家を建てる方が等級4で建てた場合、竣工して数年で最低基準を下回ることになります。

そのため、等級5は最低確保した方が良いでしょう。

今後も基準は厳しくなることが予想されますので、可能であれば、等級6を目指すことをおすすめします。

しかし、断熱等級を上げるほど、建築コストも上がりますので、全体的なバランスを見て決めることが大切です。

まとめ

・断熱性能は、快適性・光熱費・結露のために、非常に重要な性能です。
・必要な断熱性能は、地域によって異なるため、自分の地域区分を確認しましょう。
・断熱等級は最低5以上、できれば6以上にすることをおすすめします。

断熱性能は、建物の躯体に影響する部分も多いため、竣工後に変更するのは大変です。

計画段階で早めに目指す断熱性能を明確にし、他のモノ決め等とコストバランスを取りながら計画しましょう。

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この記事を書いた人

仕事:建築関係
転職回数:2回(ゼネコン、ディベロッパー等)
資格:一級建築士、建築設備士
住宅について、自分が学んだことや経験したことを発信しています。
家づくりや住宅購入を考えている方へ参考になると嬉しいです。
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